あなたはリベラル派？それとも保守派？
政治家の思想的な立ち位置を示す言葉として、「右翼」と「左翼」、もしくは「保守」と「リベラル」といった言葉が使われます。今回は、それらの用語を、貴方の政治的な思想が一発で分かるポリティカル・コンパスのサイトとセットでご紹介!!
政治的な右翼と左翼
「右翼」と「左翼」とは元々、フランス革命の時に生まれた言葉です。議会において、右側に座ったのが穏健共和派(ジロンド派)、左側に座ったのが急進共和派(ロビスピエールで有名なジャコバン派・山岳派とも言う)だったため、そこから、政治的に伝統や古来の価値観を守ろうとする人々を右翼(もしくは保守)、旧来の観念に囚われず、新しい社会(主に共産主義的な)を形成しようとする人々を左翼(もしくは革新)と呼ぶようになります。
20世紀は共産主義が花開き、そして消滅した世紀なので、どうしても左翼＝共産主義的というイメージが存在しますが、中世において当然であった『国王は人間を何の理由も無く殺しても問題無い』『貴族は生まれながらに優れている』というような、現代日本人から見れば明らかにおかしい価値観を破壊し、平等や人権といった意識を普遍的にしたのは、左派の力であると言えます。
経済的な右翼と左翼
さて、経済的な意味での右翼と左翼はまた別の意味を持ちます。簡単に言ってしまえば、経済的な右翼とは市場を信頼し、市場原理を重視し、アダム・スミスの言う「神の見えざる手」を信じる人々です。一方の左翼とは、市場に任せては必ずどこかで齟齬や貧富の格差が起こるから、経済をある程度、統制して、政府による所得の再分配を行なおうという思想です。この経済的な左派が行き着くところまで行くと共産主義になるわけですね。
コンサバティブとリベラル
さて、アメリカの民主党はリベラルだとか、共和党はネオコン(ネオコンサバティブ)とか言われます。アメリカの民主党の考える『リベラル』とは、妊娠中絶しようが同性愛しようが個人の自由、だけど個人の自由のためには国家がある程度介入してやることが必要だから、社会保障や福祉は重視するよ、という考え。一方の共和党は、政治的にはキリスト教の原理的な思想を中心とする保守的な立場を重視する反面、経済は市場に極力任せ、『小さな政府』を志向しようという考えです。
考えてみると・・・
『リベラル(liberal)』とは、自由主義、『コンサバティブ(conservative)』とは保守主義の事のはずです。ところが、市場において競争を自由にさせるのがコンサバティブで、どちらかと言えばそれを自由にさせないようにする立場をリベラルと言っています。よく考えてみるとおかしな話なのですが、元々『リベラリスト』は政治的にも経済的にも自由を求める人々でした。つまり、政治的にはリベラル、経済的にはコンサバティブなのが本来の『リベラリスト』でした。ところが、現在の福祉国家の理論的な基礎を作ったJ・S・ミルを初めとする人々(社会民主主義者)が自らの事を自由主義と呼称しました。後に福祉国家は、プロイセンを手始めに、後にはいわゆる『西側諸国』に広く普及し、市場は規制・個人の権利は拡大というのが『リベラル』になってしまい、元々の『リベラル』の人々は自らの思想を「古典的自由主義｣果ては「保守主義」と呼称するようになり、本来の意味とは全く違う意味になってしまいました。本来の『保守』とは、例えて言うなら「天皇は強力な政治権力をもつべきだ」というような主張のはずなのですが・・・。
ちなみに、現在では元々の『リベラル』の考えの人々は『リバタリアン(リベラル右派)』と呼ばれるそうです。ちなみに、私もこれです。
これから紹介するポリティカル・コンパスとは、一人一人を政治的な左右と経済的な左右で色分けしています。
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それぞれの分類表
政治的な立ち位置 経済的な立ち居地 呼称 政治的に近い歴史上の有名人 保守 保守 コンサバティブ? サッチャー、ブッシュも？ 保守 リベラル 不明 スターリン リベラル 保守 リバタリアン ミルトン・フリードマン リベラル リベラル リベラリスト ガンジー
最後に
政治的な「右」「左」、「保守」「リベラル」は、言葉の創成時から意味が変わっていたりして非常にわかりにくく、さらに私のように政治的にはリベラルなのに経済的には右派だったり、その逆がいたりで、とても一概には言えません。私の紹介というか解説も、多分間違いが多々あります。とはいえ、読者の皆様が自分の政治的思想を知る手がかりになれば幸いです。
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